UNWTO事務局長、ジョージア政府の支持撤回を批判 首相の連絡無視も非難
支持撤回をめぐる対立激化
国連世界観光機関(UNWTO)のズラブ・ポロリカシヴィリ(Zurab Pololikashvili)事務局長が、与党「ジョージアの夢」政権による自身の再選支持撤回に強く反発しています。ポロリカシヴィリ氏は5月14日、イラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相が3週間にわたる連絡試みを無視したと非難しました。これに対し、政府側は「自主的な立候補取り下げ」と主張しており、両者の主張が真っ向から対立しています。
虚偽声明を否定、「ディープステート」発言に反論
ポロリカシヴィリ氏は「機内でようやく知った。カーペットの下で決められたような決定だ」と政府の対応を批判。UNWTO公式声明では「私が代表するのは影の権力(ディープステート)でもグローバル戦争政党でもない。ジョージア人として国際機関の長を務めている」と主張し、政府の「影の勢力絡み」の含みを持たせた説明を否定しました。
首相側「非民主的」と反撃
これに対しコバヒゼ首相は「国際機関のトップがこのような言葉を使うのは残念」と反発。複数国から「1つの候補を3度推薦するのは前例がない」との異例の外交抗議(デマルシェ)があったと説明し、「ポロリカシヴィリ氏の反応が我々の判断の正しさを証明した」と述べました。
国家反逆罪主張と権力闘争の影
与党「ジョージアの夢」幹部のマムカ・ムディナーゼ(Mamuka Mdinaradze)議員は「ポロリカシヴィリ氏は国家ではなく『主人(パトロン)』に仕えている」と激しく非難。同氏が2018年から2期続けて事務局長を務めている事実を踏まえ、「国益を損なう行動を取れば支持しないのは当然」と主張しています。
観光立国ジョージアの国際的立場
この騒動は、人口約370万人ながら年間約700万人の観光客を集めるジョージアの国際的立場に影響を与える可能性があります。日本との観光交流も拡大中で、2019年には約3万6千人の日本人が同国を訪問。両国のビザ免除協定(2019年発効)が相互訪問を後押ししています。
ポロリカシヴィリ事務局長は5月15日に現地メディアとのインタビュー予定を示しており、今後の展開が注目されます。
メディアソース: civil.ge