米国下院がMEGOBARI法案可決 ジョージア政府関係者への制裁措置を推進
法案成立までの道筋
米国下院は6日、MEGOBARI法案(正式名称:ジョージアの説明責任・強靭性・独立能力強化・動員法)を349票賛成(共和党168、民主党181)、42票反対(共和党34、民主党8)で可決した。法案は今後上院で審議され、可決後は大統領の署名を経て成立する。
制裁対象と法案の目的
ヘルシンキ委員会(米議会の超党派人権組織)が提出したこの法案は、ジョージア(グルジア)の欧州大西洋統合を妨害する汚職や暴力行為に関与した「ジョージアの夢(Georgian Dream)」政権関係者とその支持者に対する制裁を規定。対象者の家族にも制裁が及ぶ点が特徴だ。
賛成派議員の主張
フロリダ州選出のブライアン・J・マスト共和党議員は「ジョージア国民は親米的だが、『ジョージアの夢』政権がロシア式の権威主義手法を模倣している」と指摘。メリーランド州のジョニー・オルシェフスキー民主党議員は「民主主義を求めるジョージア国民との連帯を示すもの」と法案の意義を強調した。
ジョー・ウィルソン共和党議員(サウスカロライナ州)は「政権が中国・イラン・ロシアに接近している」と批判し、「米国嫌いのマフィア的集団」と表現。スティーブ・コーエン民主党議員(テネシー州)は「ジョージアの夢」を「悪夢」と断じ、2024年10月議会選挙の不正操作疑惑に言及した。
反対意見と国際関与への懸念
ウォーレン・デイヴィッドソン共和党議員(オハイオ州)は「米国は世界の紛争に巻き込まれるべきでない」と主張。米国の過度な関与に警鐘を鳴らす立場から反対票を投じた。
法案成立後の動き
法案可決を受け、ヘルシンキ委員会のスティーブ・コーエン議員らは共同声明を発表。「ビジナ・イヴァニシヴィリ(Bidzina Ivanishvili)『ジョージアの夢』創設者を『腐敗した人物』と非難し、同政権を『プーチンの手下』と表現。民主主義回復後の米ジョージア関係強化方針を明らかにした。
リチャード・ハドソン議員(ノースカロライナ州)は「この法案がプーチン政権の影響力拡大を阻止する」と述べ、ロシアの地域戦略に対抗する意図を強調した。
(2024年5月6日13時25分更新:議員声明追加)
メディアソース: civil.ge