米下院がMEGOBARI法案を可決 ジョージア与党「ジョージアの夢」に制裁発動へ
米下院で圧倒的多数が賛成
米下院は7月10日、ジョージア(グルジア)政府関係者を対象とした制裁法案「MEGOBARI(メゴバリ)法案」を賛成349票(共和党168、民主党181)、反対42票(共和党34、民主党8)で可決しました。この法案は現在、上院での審議待ちの状態です。
法案の主な内容
ヘルシンキ委員会が提出した「MEGOBARI法案」は、ジョージアの欧州大西洋統合を妨げる汚職行為や暴力・威圧的行為に関与した「ジョージアの夢(Georgian Dream)」政権関係者とその家族に対する制裁を規定。具体的には資産凍結や渡航禁止措置が含まれます。
与党「ジョージアの夢」の反応
イラクリ・コバヒゼ首相
「最初から最後までジョージア国民と民主的に選ばれた政権への敵意に満ちた法案だ。これはトランプ政権と『ディープ・ステート』の戦いの延長線上にある」と強く批判しました。
ラド・ボジャゼ議員
法案提出者のジョー・ウィルソン下院議員を「ジョージアの野党『国民運動』のロビイスト」と非難。「トランプ大統領の勝利を期待する」と述べ、米国内の政治対立に言及しました。
ギオルギ・チャクヴェタゼ議員
「法案はジョージア国民への侮辱だ。上院審議の行方を見守りたい」と発言。政権側が制裁回避に向け米共和党との連携を模索する姿勢を示しました。
ザラビシヴィリ大統領の見解
サロメ・ズラビシヴィリ(Salome Zourabichvili)大統領は「制裁対象は民主主義を破壊する者たち。政権が変われば米国との戦略的パートナーシップを回復できる」と述べ、現政権批判を強めました。
野党勢力の評価
マムカ・ハザラゼ(「強いジョージア」)
「MEGOBARI法案は『ジョージアの夢』が13年間行ってきた抑圧への回答だ。真の民主主義を求める者たちを米国が支援している」と評価しました。
「変化のための連合」
「法案可決はイワニシヴィリ政権(ビジネスオークタンで政界に進出したビドジナ・イワニシヴィリ元首相派)への明確な警告。政治囚解放と民主主義回復への後押しになる」と声明を発表。
ギオルギ・ヴァシャゼ(「統一国民運動」)
「米議会の超党派的支持は驚異的。ジョージア国民の自由を求める闘いが国際的に認知された」と歓迎の意を示しました。
日ジョージア関係への影響
ジョージア政府への制裁発動は、同国が進めるアナクリア港の中国企業への譲渡問題や欧州統合路線の後退を懸念する西側諸国の姿勢を反映。日本政府も民主主義の後退に懸念を表明しており、今後の対ジョージア政策に影響を与える可能性があります。
メディアソース: civil.ge