米下院、MEGOBARI法を可決 ジョージア与党「ジョージアの夢」への制裁を含む法案が進展
議決の概要
米下院は6月25日、MEGOBARI法(ジョージアの説明責任・強靭性・独立強化法)を賛成349票(共和党168、民主党181)、反対42票(共和党34、民主党8)で可決した。同法案は現在、上院での審議に移行する段階にある。
法案の主な内容
ヘルシンキ委員会が提出したこの超党派法案は、ジョージアの与党「ジョージアの夢(Georgian Dream)」の関係者に対し、欧州大西洋統合を妨げる汚職や暴力行為に関与した場合、本人と家族への資産凍結や渡航禁止などの制裁を課すことを規定。特に2024年10月の総選挙で野党候補への弾圧が確認された場合、制裁が自動発動される仕組みとなっている。
与党「ジョージアの夢」の反応
ラド・ボジャゼ(Lado Bozhadze)議員は「法案作成者のジョー・ウィルソン下院議員はジョージアへの敵対的な人物」と批判。トランプ前大統領の政権復帰に期待を表明した。
ギオルギ・チャクヴェタゼ(Giorgi Chakhvetadze)議員は「法案はジョージア国民への侮辱」と述べ、トランプ氏の勝利で状況が好転するとの見解を示した。
レヴァン・マチャヴァリアニ(Levan Machavariani)副議長は「法案は反露政策を推進する野党勢力を利するもの」と主張し、ウィルソン議員を「腐敗したロビイスト」と非難した。
ザラビシヴィリ大統領の見解
サロメ・ズラビシヴィリ(Salome Zourabichvili)大統領は「制裁対象は民主主義を破壊する者たち」と表明。「米国との戦略的パートナーシップは現政権が変われば回復する」と述べ、2024年総選挙での政権交代に期待を示した。
野党勢力の評価
マムカ・ハザラゼ(Mamuka Khazaradze)「強いジョージア」党首は「13年にわたる与党の独裁政治に対する国際社会の正当な評価」と歓迎。アナクリア港(黒海に面する戦略的重要港湾)の中国企業への売却問題にも言及した。
「変化のための連合」は「法案可決は米国がジョージア国民の民主化闘争を支持する明確なメッセージ」と評価。政治犯の解放要求やロシア・中国の影響力拡大阻止の必要性を強調した。
今後の展開
法案成立には上院での承認と大統領署名が必要。現行レート(1ラリ=52円)で換算すると、ジョージア政府高官の海外資産凍結が実施された場合、最大数十億円規模の影響が予想される。日ジョージア関係では、同国が推進する対外直接投資政策への波及効果が懸念材料として挙がっている。
メディアソース: civil.ge