米上院議員スティーブ・デインズがジョージア訪問 米国関係強化へ政策協議
戦略的対話を目的とした訪問概要
米上院外交委員会のスティーブ・デインズ(Steve Daines)議員が5月30日、ジョージア(グルジア)を訪問しました。同議員は首都トビリシ(Tbilisi)で、与党「ジョージアン・ドリーム(Georgian Dream)」政府と野党勢力の双方と会談を実施。米大使館によると、法の支配やビジネス環境整備、戦略的パートナーシップ強化が主要議題となっています。
米国側の優先課題
デインズ議員はトランプ前大統領政権が掲げた「アメリカ・ファースト」の方針を継承し、法整備の推進や外国投資の促進を求める姿勢を表明。米国務省のルビオ長官と連携しつつ、ジョージア政府が具体的な改革措置を示すよう要請しました。
野党勢力やザラビシビリ大統領との対話
初日にあたる5月29日には、野党連合「抵抗プラットフォーム」を率いるサロメ・ザラビシビリ(Salome Zourabichvili)大統領と会談。ザラビシビリ氏は「国内情勢に加え、米国が直面する戦略的課題についても意見交換した」と述べ、米側が同地域の安定化に強い関心を寄せていると指摘しました。
米大使館声明では「最近の野党指導者逮捕問題への懸念」が言及され、プロ西洋路線維持の重要性が強調されました。米下院のジョー・ウィルソン議員はSNSで「反米的なジョージアン・ドリーム政権が野党を抑圧している」と批判し、政治的拘束者の即時釈放を要求しています。
コバヒゼ首相との政策協議
5月30日にはイラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相が政府関係者を率いて会談を実施。経済における協力拡大や地域安定化への貢献が協議され、コバヒゼ氏は「米国との戦略的パートナーシップ再構築に向け具体的な行動計画を策定する」と表明しました。
同首相はX(旧Twitter)で「トビリシはユーラシア地域の経済ハブとしての潜在力を有する」と発信。黒海・カスピ海を結ぶ物流回廊の整備や、EU市場へのアクセス強化が米国企業に有利とアピールしました。
米側の要請内容
デインズ議員側は公式声明で「トランプ政権と緊密に連携し、経済・安全保障の共通利益を推進するよう求めた」と表明。特にエネルギー資源輸送におけるジョージアの地政学的価値に言及し、西側陣営との協力深化を促しています。
地域バランスを踏まえた戦略的意義
今回の訪問はアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ(Ilham Aliyev)大統領との会談を経て実現。南カフカース地域における米国の影響力維持を図る中、ジョージアを「ロシアの影響圏に対抗する民主主義の砦」として位置付ける米議会の思惑が透けて見えます。
与野党対立が深刻化するジョージア情勢において、米側が双方に働きかける姿勢を示した点が特徴的です。今後の制度改正や選挙監視体制を巡り、米議会と現地政権の駆け引きがさらに活発化する可能性があります。
メディアソース: civil.ge