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欧州評議会、ジョージア領土問題でロシア軍の即時撤退を要求

Posted 3 months ago by Anonymous

欧州評議会の閣僚委員会は4月30日、ジョージアの領土問題に関する声明を発表し、ロシア連邦に対し即時かつ無条件の軍撤退を要求しました。2008年の南オセチア紛争から16年が経過した現在も続く占領状態を厳しく非難し、国際法に基づく解決を求めています。

主要な要求事項

声明ではアブハジア(Abkhazia)とツヒンヴァリ地域(Tskhinvali Region)からのロシア軍撤退を改めて要求。2008年の停戦合意(EU仲介)の履行や、軍事訓練・境界線画定活動の中止を求めています。特に、ロシアが実施した「議会選挙」や「大統領選挙」を「違法な擬似選挙」と断じ、法的効力を否定しました。

人権侵害の実態

欧州人権裁判所の判決を引用し、ロシアが占領地域で行っている以下の問題を指摘:

  • 民族ジョージア人への恣意的拘束・殺害・拷問
  • 移動の自由制限(医療搬送の禁止を含む)
  • 住宅破壊と文化的遺産の破壊
  • 教育権の侵害(グルジア語教育の制限)

2023年の判決では、ロシアに1億3000万ユーロ(約169億円)の賠償支払いが命じられています。

具体的事例と日本との関係

拘束されたクリスティネ・タカラゼ(Kristine Takaladze)やギオルギ・モシアシヴィリ(Giorgi Moshiashvili)の事例を強調。日本政府も2012年に「ジョージアの領土保全を支持」する声明を出しており、自由で開かれた国際秩序を重視する両国に共通の課題と言えます。

今後の対応

欧州評議会は:

  • 監視メカニズム(IPRM)の再開
  • 人道支援ルートの確保
  • 文化遺産保護の徹底

を要請。事務総長に対し、現地監視とロシア・ジョージア間の対話促進を指示しました。

ジョージア政府は声明を「国際社会の強い支持の表れ」と評価。一方、ロシア外務省は「内政干渉」として反発しています。黒海に面する戦略的要衝の安定は、エネルギー輸入の7%を中東・コーカサス地域に依存する日本にとっても重要な課題です。

メディアソース: civil.ge

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