抗議デモの女性参加者に集中する権力暴力
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、ジョージア(グルジア)政府与党「ジョージアの夢」に対する抗議デモに参加する女性たちを標的としたジェンダーに基づく暴力と懲罰的措置が増加している実態を報告しました。当局が違法な身体検査や辱めを伴う家宅捜索、性的暴力の脅迫、性差別的な侮辱を行使し、平和的デモ参加者を威嚇・処罰していると指摘しています。
組織的な人権侵害の実態
同団体東欧・中央アジア地域局副局長デニス・クリヴォシェフ氏は「当局は女性を辱め、法的根拠のない逮捕や暴力的捜索で抗議運動を抑圧しようとしたが、逆に抵抗の連鎖を生み出した」と述べています。特に注目すべき3つの事例が詳述されています:
1. 野党指導者への過酷な尋問
野党「ドロア(道)」党首エレネ・ホシュタリア(Elene Khoshtaria)の不当逮捕では、完全な裸にされた状態で長時間の捜索が行われました。
2. 女性活動家宅への不法侵入
フェイスブックグループ「Daitoves(残された者たち)」共同設立者クリスティーナ・ボトコヴェリ(Kristina Botkoveli)宅では、捜査令状なしに警察が突入し、私物を無断で撮影するなどの違法行為がありました。
3. 逮捕時の性的暴行疑惑
2024年11月19日のデモで逮捕されたナティア・ジジグリ(Natia Dzidziguri)は、複数の男性警官に囲まれた状態で膝まずくことを強要され、性的なジェスチャーで辱められました。
組織的暴力の証拠映像
バトゥミ警察署長が女性ジャーナリストムジア・アマグロベリ(Mzia Amaglobeli)に暴言を浴びせた映像はネットで拡散しましたが、司法当局は具体的な対応を取っていません。アムネスティは「個人の尊厳を守る国際基準に明らかに違反している」と批判しています。
緊急の改革要求
アムネスティはジョージア政府に対し以下の措置を要請:
- 性的暴力を含む全ての拷問と虐待の即時停止
- 違法な身体検査と家宅捜索の中止
- 警察による性差別的行為の徹底調査
- 被害者への損害賠償と社会復帰支援
報告書は「抗議参加者への暴力が組織的に行われている証拠が蓄積されている」と結論付け、国際社会の監視強化を訴えています。ジョージアでは2025年2月以降、表現の自由を制限する新法をめぐる大規模デモが継続中です。
メディアソース: civil.ge