国際的孤立と抗議活動の中で迎えたジョージア独立107周年
2025年5月26日、ジョージア(グルジア)は第1共和国独立宣言107周年および独立回復34周年を迎えました。今年の祝賀行事は「グルジアの夢(ქართული ოცნების)」政権下での国際的孤立の進行、権威主義的傾向の強化への懸念、そしてEU加盟を求める継続的な抗議活動の中で開催されました。
首都トビリシでの大規模行事
トビリシ(Tbilisi)中心部では公式式典に加え、複数の行進が実施されました。サロメ・ズラビシヴィリ大統領(Salome Zourabichvili)は午後9時にルスタヴェリ大通りで演説を行いました。同国ではこの日までに180日連続で抗議活動が続いており、街頭や店舗、大学などに欧州統合を求めるバナーが掲出されています。

指導者たちのメッセージ
「グルジアの夢」側が主催した自由広場での式典では、ミヘイル・カヴェレアシュヴィリ大統領が「民族の団結と自由への愛が独立の礎」と強調。欧州の価値観について「正義とキリスト教文化を重んじる点で先祖代々受け継がれている」と述べました。
イラクリ・コバヒゼ首相(Irakli Kobakhidze)は「過去2世紀で最も自立した状態にある」と宣言し、「経済的繁栄とアブハジア・サマチュレロ(オセチア)を含む国家統一が重要」と発言。ソ連時代の分断政策を批判するとともに、家族観の重要性を訴えました。
市民による抗議行進
午後4時からは共和国広場で抗議集会が開始され、1919年の独立記念日に行われた女性体操選手の行進を再現したデモが実施されました。参加者らは歴史的衣装をまとい、EU旗を掲げながら市内を行進しました。

激動する政治情勢
カヴェレアシュヴィリ大統領は演説で「外部勢力への依存ではなく自国での決断が重要」と国民に呼びかけ、コバヒゼ首相は野党勢力を「国家主権の9年間の喪失を招いた」と非難しました。両者とも分離地域の再統合に言及しつつ、キリスト教信仰に基づく国民統合を訴える内容が特徴的でした。
現在のジョージアでは、EU加盟申請をめぐる政府と市民の対立が継続中で、ロシアとの関係改善を進める政権に対し、欧州統合を求める声が日増しに強まっています。国際監視団体からは選挙制度改革の遅れやメディア統制が指摘され、民主化の後退が懸念されています。
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メディアソース: civil.ge