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ロシアとの国交正常化求める親露派グループ 与党関係者が主導する署名運動の背景

Posted 3 months ago by Anonymous

親露派団体が動き出した国交回復キャンペーン

ジョージア(Georgia/グルジア)の首都トビリシ(Tbilisi)で5月7日、ロシアとの外交関係再開を求める署名キャンペーンが開始されました。主催したのは親露派政治団体「平和のための連帯(Solidaroba Mshvidobistvis)」の指導者マムカ・フィフィア(Mamuka Pipia)氏。同氏はロシア共産党議員セルゲイ・ガヴリーロフ(Sergey Gavrilov)氏と親交が深く、2019年に発生した「ガヴリーロフ議会占拠事件」の当事者の一人です。

与党「ジョージアの夢」との深い関係

集会にはトビリシ市長カハ・カラゼ(Kakha Kaladze)氏の義兄パアタ・アブラゼ(Paata Abuladze)氏をはじめ、与党「ジョージアの夢(Georgian Dream)」系の人物が多数参加。元議員フリドン・インジア(Fridon Injia)氏や中立政策を掲げる「統一中立ジョージア(Ertiani Neutraluri Sakartvelo)」共同創設者ナナ・カカバゼ(Nana Kakabadze)氏らが名を連ねました。

配布された文書には「現政権の外交政策を評価しつつ、ロシア政府との直接対話が必要」と明記。経済的困難を克服するにはモスクワ(Moscow)との交渉が不可欠とする主張が展開されています。キャンペーン責任者のフィフィア氏は「政府に行動を促すべきだ」と述べ、全国規模での署名集めを計画していることを明らかにしました。

ロシア諜報機関との接触疑惑

注目すべきは、フィフィア氏がキャンペーン前日の5月6日にロシア対外情報庁(SVR)長官セルゲイ・ナリシキン(Sergey Naryshkin)氏と会談していた事実です。テレビ局「ピルヴェリ」が公開した写真では両者の握手が確認できます。

さらに5月9日の「戦勝記念日」軍事パレードには、米国から制裁を受けた元検事総長オタル・パルツハラゼ(Otar Partskhaladze)氏が参加。同氏はロシア治安機関との関係が疑われており、ジョージア政府が捜査を完了していない点に批判が集中しています。

ジョージア政府のジレンマ

2008年の南オセチア紛争以降、ジョージアはロシアとの国交を断絶したままです。現在の与党「ジョージアの夢」は「領土保全」を優先するとしていますが、経済界からは関係正常化を求める声も根強く存在。ロシア側も相次いで関係改善の意向を示していますが、同政権は占領問題を「越えられない一線」としています。

今回の署名運動は、与党支持層と親露勢力の微妙な連動性を示す事例として注目されます。欧米諸国との関係強化を目指す日本にとっても、黒海地域の地政学的バランスに影響を与える動きとして注視が必要です。

メディアソース: civil.ge

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