リトアニア元外相がジョージア政治危機に警鐘：自由の精神は独裁者への悪夢

ジョージアの深刻な政治危機

リトアニア元外相ガブリエリウス・ランズベルギス（Gabrielius Landsbergis）がジョージアを訪問し、サロメ・ズラビシュヴィリ大統領（Salome Zurabishvili）や野党代表者らと会談しました。同氏はジョージアが「選挙独裁体制」に陥りつつある現状に強い懸念を表明。抗議行動が100日以上続く中、経済的孤立や民主主義の後退が加速するリスクを指摘しました。

地域安全保障への影響

ジョージアの政情不安は黒海地域全体の地政学バランスに影響を及ぼすと警告。特に「モスクワの影響圏への回帰」が進めば、アルメニアのように伝統的にロシアと緊密だった国々の姿勢変化も無視できないと分析。ランズベルギス氏は「市民の自由を求める意思こそが独裁者にとって最大の脅威」と強調しました。

欧州の対応と課題

EUがジョージアの夢（「Georgian Dream」）政権幹部への制裁で足並みが揃わない現状を憂慮。リトアニアが単独でビジナ・イヴァニシュヴィリ（Bidzina Ivanishvili）氏らに制裁を発動した事例を紹介しつつ、「市民社会の声を国際社会に伝える仕組みが不可欠」と訴えました。

情報戦の深刻化

ロシアの偽情報拡散が加速する中で、独立系メディアへの攻撃が激化。米国政府系メディア支援団体の活動停止がさらなる混乱を招く可能性に言及。「自由な言論空間を守るための具体的な行動が急務」と指摘しました。

市民の抵抗と希望

111日目を迎える連日抗議について「独裁者の悪夢となるほどの持続性」と評価。キエフの防衛産業視察で感じた「戦う気概」との類似性を指摘し、「自由を求める精神は消えない」と希望的観測を示しました。

「1990年代、私たちバルト三国が自由を求めて戦った時、欧州は無関心だった。今こそジョージア市民の決意が国際社会を動かす時だ」

今後の展望

米ロ間の密約懸念やEUの結束力低下に警鐘を鳴らしつつも、「市民の粘り強い抵抗が体制を変える原動力になる」と結論。1ラリ（約52円）の経済的打撃が庶民生活を直撃する中、民主化運動の持続可能性が試されています。

メディアソース: civil.ge