ベラルーシ人活動家のジョージア入国拒否 反体制派関与が背景か
反体制派活動家がジョージア入国を阻止
ベラルーシ人活動家のディミトリー・グリンケヴィチ(Dmitri Grinkevich)がジョージア(グルジア)への入国を拒否されたことが、現地メディアPozirkの5月8日付報道で明らかになりました。人権活動家のラマン・キスリャク(Raman Kislak)が情報を提供しており、公式の拒否理由は未だ不明です。
反体制派との関与が焦点に
現在ジョージアで亡命申請の審理を待つキスリャク氏は、グリンケヴィチ氏がアジャリア自治共和国(Adjara)で活発なベラルーシ人ディアスポラ活動を行っていたと指摘。2023年には、グリンケヴィチ氏と反体制派ジャーナリストのアンドレイ・ミャレシュカ(Andrei Mialeshka)が共同で、バトゥミ(Batumi)の警察署前で行われた抗議行動中にキスリャク氏へのインタビューを実施しています。
ミャレシュカ氏自身も2024年9月にジョージア入国を拒否された経緯があり、2021年にベラルーシから政治亡命した後、家族と共にジョージアに在住していました。
国境でのトラブルと入国禁止措置
グリンケヴィチ氏によると、5月8日朝にバトゥミからトビリシ(Tbilisi)を経由してアルメニア国境に向かい、ビザなし滞在期間の延長を試みました。しかし出国時にジョージア国境警備隊から不適切な対応を受け、アルメニアからの再入国を試みた際に1時間半拘束された後、入国禁止文書を手渡されたと述べています。
増加する外国人活動家の入国拒否
ジョージアでは近年、反体制派活動家やジャーナリスト、政治家の入国拒否が相次いでいます。野党勢力はこれらの措置を政治的に動機付けられたものと批判。内務省は4月に96人の外国人を国外退去させており、与党「ジョージアの夢」は移民管理強化法案を議会に提出しています。
政府の移民政策強化の動き
政府は法案提出の背景として不法移民の増加と関連犯罪の急増を挙げています。2023年にはフランス人フォトジャーナリストの入国拒否、2024年にはチェコ人・アルメニア人ジャーナリストの入国阻止事例が発生するなど、欧州メディアの関係者も対象となるケースが目立っています。
ジョージア当局は「国家の安全確保」を理由に挙げる一方、人権団体からは表現の自由の制限を懸念する声が上がっています。旧ソ連圏からの政治亡命者受け入れで知られる同国ですが、近年は地政学的緊張の高まりを受けて政策転換が進んでいるようです。
メディアソース: civil.ge