プーチン大統領、ジョージアに友好継続を要請 独戦勝80周年で異例の呼び掛け

露大統領がCIS諸国に発信したメッセージ

ヴラジーミル・プーチン・ロシア大統領は、第二次世界大戦でのナチス・ドイツへの勝利80周年に際し、ジョージア国民に対して「友好と相互支援の素晴らしい伝統を維持するよう」求めるメッセージを発表しました。タス通信が報じた公式声明によると、独立国家共同体（CIS）加盟国の指導者宛ての祝辞の中で、ジョージアとモルドバの場合は国民個人に向けて直接呼び掛ける異例の形式が採用されました。

歴史的遺産の継承を強調

プーチン氏は声明で「共通の歴史的遺産を忘れ去ることなく、友好関係の伝統を守り、民族間の不和を引き起こす試みを阻止するよう」強く要請。ソ連時代の協力関係を想起させる表現を用いつつ、両国間の歴史的紐帯に言及しました。ただし、2008年以降ジョージア政府との正式な国交が断絶している状況下での呼び掛けに対しては、政治的な意図が懸念されています。

分離地域指導者への個別対応が物議

注目すべきは、ロシアが実効支配するアブハジア（Abkhazia）とツヒンヴァリ地域（Tskhinvali Region）の事実上の指導者に対して、別途祝辞を送付した事実。タス通信はクレムリン筋の情報としてこの事実を伝えましたが、ジョージア政府は両地域をロシアの占領下にあると主張しており、外交上の摩擦要因となっています。

専門家の間では、このメッセージがソ連時代の勝利の歴史を活用しつつ、CIS加盟国との関係強化を狙った戦略的な発信と分析。特に2024年2月に「ジョージアの夢」政権がEU加盟申請を提出するなど西側との関係深化が進む中、ロシアが歴史的紐帯を強調する異例のアプローチが注目を集めています。

メディアソース: civil.ge