ティナ・ボクチャヴァが夫拉致とイワニシヴィリ氏息子への謝罪強要を告発
野党指導者の衝撃的な告発
ジョージアの野党第一党「統一国民運動」党首ティナ・ボクチャヴァ(Tina Bokuchava)が、自身の夫が拉致されウタ・イワニシヴィリ(Uta Ivanishvili)氏への謝罪動画の作成を強要されたと訴えている。イワニシヴィリ氏は与党「ジョージアの夢」創設者ビジナ・イワニシヴィリ(Bidzina Ivanishvili)元首相の息子で、2018年にボクチャヴァ氏が「ウタ・イワニシヴィリ氏の性的指向に関連する発言」を行ったことへの報復とみられている。
強要された謝罪動画の背景
ボクチャヴァ氏の告発に先立ち、夫のコテ・イオセリアニ(Kote Ioseliani)氏が7年前の発言について謝罪する動画をSNSに投稿。この動画では「ウタ・イワニシヴィリ氏と高位公務員の男性との恋愛関係を主張した過去の発言」に対し陳謝している。
ボクチャヴァ氏は「夫の拉致は10月の地方選挙ボイコット呼びかけに対する威圧が目的だった」と指摘。ジョージア政界を揺るがす重大な人権侵害事件として国際社会の注目を集めつつある。
複雑化する政治情勢
今回の事件は旧ソビエト圏に特徴的な「権力者批判への報復」構造を想起させる。イワニシヴィリ元首相(2003年までロシアで億万長者として成功)は現在もジョージア政界に絶大な影響力を保持しており、野党勢力との対立が先鋭化している。
ロシア語圏との歴史的関係を重視する与党と親欧米路線を掲げる野党の対立構造が、個人に対する圧力事件へ発展した可能性が指摘されている。欧州評議会は早くも「民主的プロセスの重大な阻害」に懸念を表明している。
今後の展開注視
首都トビリシ(Tbilisi)では連日抗議デモが発生。市民団体「透明性国際ジョージア」は政治暴力の実態調査を要求している。政府側は現時点で公式コメントを控えており、司法当局の対応が注目される。
イワニシヴィリ元首相側近は「虚偽の主張」と即座に反論したが、欧州連合(EU)の選挙監視団は「選挙前の公正な環境確保」を改めて要請。2024年総選挙を控え、国際社会の監視が強化される情勢だ。
メディアソース: civil.ge