ジョージア EU非公式外相会議に招待されず 加盟候補国の反発懸念

EU非公式会議から排除されたジョージア

5月7-8日にワルシャワ（Varszava）で開催された欧州連合（EU）外相非公式会議「ギムニヒ会議」に、ジョージア（საქართველო）が招待されなかったことが明らかになりました。EU加盟候補国が参加する「ヨーロッパの日」を記念するこの会議で、民主化プロセスの後退が指摘されるジョージアに対するEU側の懸念が浮き彫りとなりました。

EU高官が指摘する後退

EUのマルタ・コス副委員長はSNSで「和平・安全・自由のための統合が必要」と投稿しましたが、2023年12月に加盟候補国認定されたジョージアは招待リストから外れました。EU当局者はこの決定について「民主主義の後退とEU価値観からの逸脱」を理由に挙げています。

駐ジョージアEU大使の厳しい指摘

パヴェウ・フルチンスキ駐ジョージアEU大使は「候補国認定後、EU加盟に向けた進展が一切見られない」と指摘。さらに「新しい立法措置が欧州統合を遠ざけている」と批判し、民主化プロセスの逆行に懸念を示しました。

ドイツ大使も懸念表明

ペーター・フィッシャー駐ジョージアドイツ大使は「EUが2023年6月に発表した高官レベルの接触停止措置が継続中」と説明。政府が現在の政治危機を解決しない限り、関係改善は難しいとの見解を示しました。

ジョージア政府の反発

与党「ジョージアの夢（ქართული ოცნების）」のイラクリ・コバヒゼ（Irakli Kobakhidze）首相は「EUの対応は不公平で二重基準だ」と強く反発。「ディープステート（深層国家）の指示を受けた動き」と非難するなど、外交姿勢の硬化が目立ちます。

議会議長の対ポーランド批判

シャルヴァ・パプアシヴィリ（Shalva Papuashvili）議長は、ポーランド政府を「ミヘイル・サアカシュヴィリ（Mikheil Saakashvili）元大統領派を支持」と非難。EU加盟プロセスより個人との関係を優先していると批判しました。

外相の「二重基準」発言

マカ・ボチョリシュヴィリ（Maka Botchorishvili）外相は「フランスやドイツで許されることがジョージアでは問題視される」と指摘。「民主的後退の事実はない」と主張しつつも「欧州全体の二重基準をすぐに変えられない」と述べ、EU側の対応に不満を露わにしました。

市民のEU志向との乖離

世論調査では国民の80%以上がEU加盟を支持していますが、政府の動向はこれと逆行する傾向が見られます。欧州評議会など国際機関からは「民主的規範の侵害」を指摘する声が相次いでいます。

メディアソース: civil.ge