ジョージア首相コバヒゼ、アルバニアで欧州政治共同体サミットに参加し会談実施
サミット参加の背景と参加国
ジョージア（グルジア）のイラクリ・コバヒゼ（Irakli Kobakhidze）首相は5月16日、アルバニアの首都ティラナ（Tirana）で開催された欧州政治共同体（EPC）サミットに参加した。同行者にはマカ・ボチョリシュヴィリ（Maka Bochorishvili）外相らが含まれた。
2024年10月の物議を醸した議会選挙とその後の抗議活動を受けて、コバヒゼ首相が欧州の指導者たちと公式に顔を合わせるのはこれが初めて。EPCサミットには欧州45カ国から首脳が集結し、南コーカサス地域からはジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンが参加した。
円卓会議での発言内容
コバヒゼ首相は「欧州の安全保障と民主的安定の強化」をテーマにした円卓会議で発言。「強い欧州が強い世界に不可欠」と強調しつつ、近年の欧州が「アイデンティティ喪失の危機」に直面していると指摘した。
政府発表によると、首相はウクライナ情勢を例に挙げ「戦争の深刻な影響下では他国の防衛保証は不可能」と述べ、ジョージアのEU加盟候補国としての実績をアピール。「EU候補国指定を受けた他国を上回る成果を上げている」と主張した。
各国首脳との会談
サミット期間中、コバヒゼ首相はセルビアのアレクサンダル・ヴチッチ（Aleksandar Vučić）大統領、スロバキアのロベルト・フィツォ（Robert Fico）首相らと会談。ハンガリーのヴィクトル・オルバーン（Viktor Orbán）首相とは経済協力の深化を協議し、近くブダペストで経済合同委員会を開催することで合意した。
政府メディアの戦略的報道
与党「ジョージアの夢」政権は、国際的な孤立打破を印象付けるためメディア戦略を展開。フランスのエマニュエル・マクロン（Emmanuel Macron）大統領との短い会話動画や、欧州議会議長との写真を公開した。
コバヒゼ首相は記者団に対し「30人近い指導者と意見交換する機会があった」と述べつつも「対話内容の詳細は公表できない」と釈明。EU諸国との関係改善に向けたメッセージを発信したと強調した。
国際社会の反応と今後の展望
今回のサミット参加は、ジョージアが直面する国際的孤立状況を打破する試みと見られている。EU加盟を目指す同国にとって、欧州主要国との対話チャンネル維持が今後の課題となる。日本との関係では、共に民主主義と法の支配を重視する立場から、今後の協力拡大が期待される。
メディアソース: civil.ge