ジョージア首相がトランプ氏に公開書簡 MEGOBARI法案巡る米国関係の行方
ジョージアのイラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相が5月13日、米国のドナルド・トランプ元大統領とジェイ・ディー・ヴァンス上院議員に対し公開書簡を送付しました。この動きは、米議会で審議が進むMEGOBARI法案(対ジョージア支援策)を前にした対応とみられています。書簡では、与党「ジョージアの夢」政権が主張する「米国との関係再構築」案が無視されたことへの不満が表明されました。
与党「ジョージアの夢」関係者
マムカ・ムディナリゼ(Mamuka Mdinaradze)議員:
「我々は頭を垂れて懇願しているのではなく、自国民と国際社会に対し正当性を主張している。不当な扱いを受けた場合、公の場で発言する権利がある」と述べ、政権の姿勢を擁護しました。
エカ・セパシュヴィリ(Eka Sepashvili)議員:
「米国との関係改善には追加措置が必要。『ディープ・ステート』(米政府内の官僚機構)の影響力は予想以上に強い」と指摘し、外交交渉の難しさに言及しました。
ザラビシヴィリ大統領の反応
サロメ・ザラビシヴィリ(Salome Zourabichvili)大統領:
「この書簡は政権の絶望を露呈している。30年以上米国から支援を受けてきた国が、今や非難の矛先を向けるのは悲劇的だ」と批判。与党指導者ビジナ・イヴァニシヴィリ(Bidzina Ivanishvili)氏の影響力を問題視しました。
野党各派の批判
マムカ・ハザラゼ(Mamuka Khazaradze)「強いジョージア」党首:
「政権は民主主義機関を掌握し、盗まれた選挙で国を統治している。新政権発足と政治犯解放こそ解決策だ」と主張しました。
ハティア・デカノイゼ(Khatia Dekanoidze)「統一国民運動」議員:
「この書簡は米国との距離を置くための口実作り。政権はロシア接近を迫られる代償に気付いていない」と分析しました。
ディミトリ・ツキティシュヴィリ(Dimitri Tskitishvili)「ガハリア・ジョージアのため」議員:
「支持者向けのパフォーマンスに過ぎず、米国新政権との関係修復が不可能だと悟った表れ」と指摘しました。
反対派プラットフォームの声明
野党連合は「政権の対米批判は国民の意思を反映せず、民主主義陣営からの孤立を招く」と警告。EU加盟と米国との戦略的連携が国家の未来にとって不可欠だと強調し、「自由で公正な選挙の実施が唯一の解決策」と訴えました。
MEGOBARI法案は、ジョージアの民主化支援と政府高官への制裁可能性を盛り込んだ米国の法案。与党は「内政干渉」として反発しており、米ジョージア関係は歴史的な緊張状態に陥っています。EU加盟候補国であるジョージアの今後の国際的立ち位置が注目されます。
メディアソース: civil.ge