ジョージア首相、CPACで保守的価値の堅持を強調
コバヒゼ首相のCPAC参加と「ディープステート」批判
ジョージア(グルジア)のイラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相は5月29日、ハンガリー・ブダペストで開催された保守派政治行動会議(CPAC)に登壇した。これに先立ち、同首相はハンガリーのヴィクトル・オルバン(Viktor Orbán)首相とも会談を実施。
伝統的価値観の擁護を主張
CPACでの演説でコバヒゼ首相は「3000年にわたり帝国の交差点に立ち続けたジョージア」として、キリスト教の伝統と国家主権の堅持を強調。「LGBTプロパガンダ」や「無制限の移民」を「国家アイデンティティへの脅威」と位置付け、ハンガリーが示した「主権とアイデンティティ防衛の模範」を称賛した。
特に注目されたのは「リベラル・ファシズム」への言及で、「外国資金による過激な左派イデオロギーが国家機関を弱体化させている」と主張。2022年から始まる「グローバル戦争」の文脈で、米国の「ディープステート」を批判し、トランプ前大統領の取り組みに期待を表明した。
オルバン首相との戦略的連携
28日の会談では、両首相が欧州統合プロセスと地域安定化に向けた協力を確認。コバヒゼ首相はSNSで「ハンガリーの支持はジョージアのEU加盟に向けた重要な後押し」と発信した。
「オルバン首相との実りある意見交換を実現。国家主権と伝統的価値の防衛において、両国の連携が強化されることを期待」
— イラクリ・コバヒゼ首相
国際社会との緊張関係
ジョージア政府はNGO関連法改正を巡り欧米諸国と対立しており、コバヒゼ首相は「透明性向上策に対し制裁で応じるのは二重基準」と反論。欧州議会の批判的決議や米国の「メゴバリ法」を「内政干渉」と非難し、国家主権の堅持を繰り返し訴えた。
地政学的立場の再定義
「真の欧州は信仰と家族の価値を重んじる国々にある」とする演説は、EU内の保守派連携を意識。ウクライナ情勢では「戦争介入を拒否し安定を選択した」と述べ、西側諸国とは異なる外交路線を強調した。
今回の動きは、「ジョージアの夢」政権が国際的孤立を打破すべく、中東欧の保守政権との連携を強める戦略を反映。今後のEU加盟交渉を巡り、欧州における価値観をめぐる議論が激化する可能性が高まっている。
メディアソース: civil.ge