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ジョージア野党指導者ニカ・メリア逮捕 国内外の政治的反応続く

Posted 2 months ago by Anonymous

急転直下の逮捕劇とその背景

ジョージアの主要野党「(新)国民運動」共同党首で改革連合(ევროპული საქართველო)の指導者の一人であるニカ・メリア(Nika Melia)氏が5月29日、裁判所出頭を目前にして突如逮捕されました。内務省は「警察官への侮辱行為」を正式な理由としていますが、野党陣営はこれを「拉致同然の違法逮捕」と非難しています。

メリア氏には現在、ジョージア刑法349条(議会委員会への不出頭)違反の疑いがかかっており、50,000ラリ(約260万円)の保釈金支払いが命じられていました。同氏は「支払いも出頭も拒否」と宣言していたものの、逮捕直後の発言では「説明責任を果たす」意向を示しています。この事態は、先月同様の容疑で逮捕されたズラブ・ジャパリゼ(Zurab Japaridze)元議員の事例と類似しており、野党指導者への圧力強化と受け止められています。

国内政治勢力の反応

抵抗プラットフォームの声明

強硬反政府団体「抵抗プラットフォーム」(წინააღმდეგობის პლატფორმა)は、「メリア氏逮捕はロシア式抑圧体制の現れだ」と批判。ビジネスオングロマット(大富豪)のビジ・イワニシビリ(Bidzina Ivanishvili)元首相率いる与党「ジョージアの夢」政権を「ロシア傀儡政権」と断じ、「民主的環境構築は不可能」と訴えました。

野党「強いジョージア」の主張

野党連合「改革のための連合」の構成政党である強いジョージア(ძლიერი საქართველო)は、今回の逮捕を「政権のシステム的危機を露呈した」と指摘。「イワニシビリ体制が野党指導者『無力化』のため手段を選ばぬ姿勢を示している」と警鐘を鳴らしました。

国際社会の懸念表明

米議員が「反米的なる弾圧」と非難

アメリカ下院のジョー・ウィルソン(Joe Wilson)議員はSNSで「『ジョージアの夢』政権の反米的な弾圧が野党解体へと拡大している」と糾弾。中国への傾斜を懸念し、「制裁発動が必要」と訴えました。

バルト三国からの警告

リトアニア議会のラサ・ユクネヴィチェーネ(Rasa Juknevičienė)議員は「民主主義勢力への締め付けが深刻化」と指摘。エストニア外務委員長マルコ・ミフケルソン(Marko Mihkelson)氏は「ロシア・ベラルーシ式の抑圧手法」と批判し、EUにビザ免除停止を含む措置を要請しました。

今回の逮捕劇は10月総選挙を目前に控えた政治情勢の緊迫化を反映しており、EU加盟候補国のジョージアが民主主義の基本原則を守れるかどうか、国際的な監視が強まっています。

メディアソース: civil.ge

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