ジョージア野党指導者ニカ・メリア仮拘束 保釈金拒否で政治緊張高まる
<strong>反体制派指導者に相次ぐ拘束措置</strong>
2024年5月30日、ジョージア(グルジア)の首都ティビリシ(Tbilisi)市裁判所は、野党連合「変化のための連合」の指導者で「新党(アハリ)」共同党首のニカ・メリア(Nika Melia)氏に対し、仮拘束を命じる決定を下しました。直接の理由は、与党「ジョージアの夢」が主導する議会の「暫定調査委員会」への出頭命令に従わず、保釈金の支払いを拒否したことです。
反体制派への圧力強化の構図
メリア氏に先立ち、5月22日には「変化のための連合」と「自由党-より多くの自由を(ギルチ)」の指導者ズラブ・ジャパリゼ(Zurab Japaridze)氏が同様の理由で仮収監されました。また5月14日には元国防相のイラクリ・オクルアシュヴィリ(Irakli Okruashvili)氏も保釈金未納を理由に拘束されています。当局は今後、同じく保釈金支払いを拒否している野党「新党」の別の指導者ニカ・グラミア(Nika Gvaramia)氏に対しても同様の措置を取るとみられています。
<strong>2024年総選挙を巡る対立先鋭化</strong>
野党側は「ジョージアの夢」が議会で単独過半数を握る現状を「一党支配」と非難。2023年可決された新選挙法に基づく2024年10月26日実施予定の総選挙について「非民主的」と主張し、その正当性を認めていません。与党主導の調査委員会への協力を拒否する姿勢を貫いており、政治的な対立が司法手続きに波及する事態が続いています。
国際社会の懸念と国内情勢
米欧諸国からは「政権による反体制派への圧力強化」との批判の声が継続。2023年にEU(欧州連合)から「加盟候補国」の地位を得たジョージア政府ですが、民主的基準を巡る懸念から正式加盟への道筋は不透明さを増しています。首都ティビリシでは5月、ロシアとの関係強化に反対する大規模デモが発生するなど、市民の政治意識が高まっている状況です。
今回の一連の司法判断を巡り、政権与党は「法の支配に基づく対応」と主張する一方、野党関係者や人権団体は「政敵を司法で弾圧する手段」と強く批判。2024年総選挙を前に、ジョージア政界の緊張がさらに高まることが予想されます。
メディアソース: civil.ge