ジョージア議会議員侮辱事件で学生2人に懲役12日判決
執政党議員への抗議行動が拘束刑に発展
トビリシ市裁判所は5月30日、与党「ジョージアの夢」所属のマリアム・ラシュヒ議員(Mariam Lashkhi)に対する公然侮辱罪で、学生2人に12日間の拘束刑を言い渡した。被告はリーカ・ロルトキパニゼ(Lika Lortkipanidze)とタティア・アフリアマシュヴィリ(Tatia Aphriamashvili)の両名で、共にイルィア国立大学の学生とされる。
カフェで発生した抗議騒動
事件は5月17日、ラシュヒ議員が未成年の子供たちとカフェにいた際に発生。3人の女性活動家が議員に対し「ロシア式体制反対」「自由を!」などと叫びかけた。ラシュヒ議員は「公務員に対する侮辱」として告訴を決意し、内務省が45日間の拘束を求める訴えを提出していた。
法改正が背景に
ジョージアの夢は今年2月、公務員侮辱罪を行政違反に格下げする法改正を実施。この判決は同法に基づく初の適用例となり、弁護士連盟からは「表現の自由の侵害」との批判が噴出している。
学生支援の動きが拡大
判決を受けてイルィア国立大学では直ちに抗議デモが発生。約200人の学生が「表現の自由を守れ」と叫びながら議会へ向けて行進した。支援者らは6月2日から授業ボイコットを計画しており、学内の緊張が高まっている。
関連事件の判決も
同日、別の抗議活動で拘束されていたトルニケ・スフティアリゼ(Tornike Skhirtladze)には5日間の拘束刑が言い渡された。もう1人の被告アニ・カフタラゼ(Ani Kavtaradze)には約26万円(5,000ラリ)の罰金刑が科されている。
判決を下した裁判官は「未成年の母親」という理由で活動家マグダ・マムカシヴィリ(Magda Mamukashvili)の拘束刑を免除したが、約21万円(4,000ラリ)の罰金を課す判断を示した。
懸念される言論規制
ジョージアでは今年に入り政府批判への圧力が強化されており、EUのオブザーバーからも懸念の声が上がっている。9月の議会選挙を控え、政府と市民の対立が更に先鋭化する可能性が指摘されている。
メディアソース: civil.ge