ジョージア独立記念日に国際社会が支持表明 欧州統合促すも政府批判も

主要国からの祝賀メッセージ相次ぐ

ジョージア（グルジア）は5月26日、第一民主共和国宣言107周年と独立回復34周年を迎えた。各国の指導者や外交官が祝賀メッセージを送る中、EU加盟を支持する声が目立つ一方、現政府への批判表明も散見された。

EU主要3か国の共同声明が批判的姿勢

フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相、ポーランドのドナルド・トゥスク首相は共同声明で、「民主主義の後退を招く現政権の行動を非難する」と表明。表現の自由保護やEU基準に合致しない法律の改正を求めた。

隣国アゼルバイジャンとアルメニアのスタンス

アゼルバイジャン外務省は戦略的パートナーシップを強調する祝辞を送った。一方、アルメニアのアショト・スンバティアン大使は「祖国愛と自立維持が両国民を結ぶ」と柔軟な表現に留まった。

欧米首脳の発信にみる課題

アメリカ国務省のマルコ・ルビオ氏は民主主義的価値を称賛する一方、EU代表部のパヴェル・ヘルチンスキー大使は「民主主義は当然の権利ではない」と警鐘。オランダのメライン・アラケリアン大使は外交的表現で現政権にプレッシャーをかけた。

旧ソビエト諸国の複雑な反応

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は2008年のロシア侵攻支援に言及し連帯を表明。モルドバのマイア・サンドゥ大統領はジョージア大統領に同国最高勲章を授与した。バルト三国からは民主化継続を求める声が相次いだ。

アジア諸国と国際機関の動向

日本からは直接の言及はなかったが、インド外相が関係深化の意向を示すなど、新興国の関心も垣間見える。NATO加盟を目指すジョージアにとって、国際社会の複眼的な視線が今後の政情を左右する状況だ。

市民社会と政府の緊張継続

EU欧州議会議員のラサ・ユクネヴィチェネ氏は路上デモ参加者への支持を表明するなど、国内の政治対立を反映した国際的評価の分断が顕在化。独立記念日の祝賀メッセージが、欧州統合への期待と現政権批判という二つのベクトルを同時に示す結果となった。

メディアソース: civil.ge