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ジョージア政府が国家助成金管理機関を新設 タマル・ゾデラヴァ氏が初代議長に就任

Posted about 2 months ago by Anonymous

新機関設立の背景と目的

ジョージア(グルジア)のイラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相率いる与党「ジョージアの夢」政権は2025年4月15日、国家助成金管理機関を設置する政令に署名しました。この公的機関は市民社会組織(CSO)に対する国家助成金の配分を担当し、公共法人として設立されました。

初代議長の経歴

4月22日、コバヒゼ首相は新機関の初代議長にタマル・ゾデラヴァ(Tamar Zodelava)氏を任命。同氏はドイツ国際協力機関(GIZ)で地域プロジェクトマネージャーを務めた経験を持ち、欧州評議会のコンサルタントや東パートナーシップ公共統治改革地域基金の責任者も歴任しています。現在の議会議長シャルヴァ・パプアシヴィリ(Shalva Papuashvili)も2007-2015年にGIZでグループリーダーを務めていました。

政策転換の背景

この措置は、政府が外国からの助成金を制限し、国家助成金に移行する一連の政策の一環です。2025年2月、議会は「助成金に関する法律」を改正し、以下の措置を導入しました:

  • 海外ドナーがCSOに資金提供する際の政府事前承認義務化
  • 無許可助成金受給者への2倍額の罰金制度
  • 即時施行の規定

市民社会の反応

ジョージアの市民社会団体はこの改正を「反対意見の抑圧策」と非難。「政府の監視システムから市民を隔離し、国際社会の支援を遮断する弾圧法」と表現する声が上がっています。特に歴史研究組織「ソヴラブ」(Sovlab)が受けたフランス大使館の助成金が政府系メディアで批判された事例が注目を集めました。

国際社会との関係

政府の姿勢に対し、欧米諸国から懸念の声が挙がっています。2025年4月には欧州連合(EU)が「市民社会の活動制限はEU加盟プロセスに悪影響」との声明を発表。これに対し議会議長パプアシヴィリ氏は「外国資金が政治目的に利用される」と反論するなど、国際的な摩擦が続いています。

今後の展望

新機関の設立は、ジョージアが「欧州統合」を掲げつつも、国内統制を強める複雑な政治状況を反映しています。EU候補国として民主的基準の維持が求められる中、政府と市民社会の対話構築が今後の課題となりそうです。

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