ジョージア政府「反米」発言に米国務長官が懸念 選挙不正と米中対応に批判
米議会での「反米政府」発言をめぐる応酬
アメリカ議会下院外交委員会で5月21日、ジョージア(グルジア)の与党「ジョージアの夢」政権をめぐる緊迫した議論が行われました。ジョー・ウィルソン下院議員は同政権を「選挙不正」「米国企業の締め出し」「中国共産党への接近」で非難し、マルコ・ルビオ米国務長官に対し「反米的ジョージア政府に責任を取らせる具体的措置」を求める質問を投げかけました。
ルビオ国務長官の懸念表明
ルビオ長官は「米国の国家益に照らし、世界の要衝を反米政府が支配することが望ましいか否かを判断する」と回答。ジョージア政府への対応策を協議中であると明らかにし、「地域局と現地大使館から提言を受けている」と述べました。政府高官が公式見解を明確にせず留保した形で、今後の対応が注目されます。
ジョージア政府側の反論
「ジョージアの夢」政権のマカ・ボチョリシヴィリ(Maka Bochorishvili)外相はルスタヴィ2 TVのインタビューで「ウィルソン議員の主張は完全な事実誤認」と反論。アメリカとの協力関係を強調しつつ、ルビオ長官の発言について「前向きな検討段階にある」と受け止める姿勢を示しました。
MEGOBARI法案をめぐる懸念
ボチョリシヴィリ外相はMEGOBARI法案(ジョージア政府関係者を対象とする制裁法案)について「事実に基づかない条項が含まれている」と批判。同法案がアメリカの対ジョージア政策に影響を与える可能性に対し「非常に残念な結果を招く」との懸念を表明しました。
現地政治関係者の主張
与党側からは「国際社会との平等な関係構築」を目指す姿勢が強調されました。議会法務委員会のアルチル・ゴルドゥラゼ(Archil Gorduladze)委員長は「我々は完全に親西欧的」と主張し、ウィルソン議員を「憎悪に駆られた人物」と非難。別の議員は米側の姿勢を「曖昧」と評しつつ「価値観を共有する真のパートナーシップが必要」と訴えました。
背景となる二国間関係
近年のジョージアと米国の関係は、中国との経済協力拡大や国内政治改革の遅れをめぐり緊張が高まっています。ジョージア政府はEU加盟を正式に申請しているものの、ロシア系資本の影響力拡大やメディア統制などが欧米から批判される構図が続いています。
今後、アメリカ政府が「反米」レッテルを外交政策にどう反映させるかが焦点となりそうです。黒海に面する地政学的要衝にあるジョージアの動向は、ロシア・中国・西欧のせめぎ合いの中、引き続き国際社会の注目を集めることになりそうです。
メディアソース: civil.ge