ジョージア外相マカ・ボチョリシヴィリが米国務省高官と戦略協議
日米外交トップが会談 安全保障協力を協議
与党「ジョージアの夢(Georgian Dream)」所属のマカ・ボチョリシヴィリ(Maka Botchorishvili)外相は6月16日、米国務省のウエード・トルクス(Wade Tolk)上級顧問、並びに在ジョージア米国大使ロビン・ダニガン(Robin Dunnigan)氏と会談を実施しました。
ジョージア外務省のプレスリリースによると、両者は米ジョージア間の戦略的パートナーシップの再構築について協議。ボチョリシヴィリ外相は「ジョージアが米国にとって重要なパートナーである」との認識を確認し、協力関係のさらなる深化に意欲を示しました。
黒海地域の安定に向けた役割強調
会談では地域安全保障課題が重点的に議論され、ジョージアが黒海地域の平和と安定維持に果たす役割が再確認されました。特に2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻後、ジョージアの地政学的な重要性が高まっていることが背景にあります。
米側代表のトルクス上級顧問は「民主主義的価値の共有」を基調としつつ、ジョージアのEU・NATO加盟プロセス支援に向けた具体的な協力策を検討した模様です。ダニガン大使はSNSで「地域の安全保障におけるジョージアの貢献を評価する」と発信しました。
戦略的パートナーシップの行方
今回の会談は、2023年に一時冷却化した米ジョージア関係を改善する動きの一環。ジョージア政府が進める欧州統合政策に対し、米国が積極的な支援姿勢を示すことで、ロシアの影響力拡大を牽制する狙いがあると分析されています。
両国は今後、防衛協力や経済連携に関する作業部会を設置することで合意。ハイブリッド戦争対策やエネルギー安全保障に関する専門家レベルの協議が予定されています。
この戦略対話は、ユーラシアの要衝に位置するジョージアが、西側諸国との結びつきを深める一方で、国内の政治対立を克服できるかが問われる重要な局面を迎えていることを示しています。今後の動向がEU・NATO拡大政策に及ぼす波及効果が注目されます。
メディアソース: civil.ge