ジョージア外交官の倫理基準強化 政府方針違反で早期解任可能に法改正
Posted 3 months ago by Anonymous
ジョージア(Georgia)与党「ジョージアの夢(Georgian Dream)」主導の議会は5月14日、外交官の倫理基準違反や政府方針への反対行動を理由に早期解任を可能にする法改正を可決しました。改正案は提出からわずか10日間で87票の賛成により緊急採択されました。
法改正の主な内容
新法では、以下の場合に外交官を任期途中で解任できる規定が追加されました:
- 倫理規定や行動規範の重大な違反が国家の利益やイメージを損なう恐れがある場合
- 議会が定めた外交政策の基本方針や外務省の利益に反する行動を取った場合
これにより、政府が「欧州統合プロセスの停止」を決定した後、EU加盟支持派の外交官300人以上が抗議声明に署名した事態を受けた対応と見られています。
人事評価制度の変更点
従来の年1回から年2回以上の人事評価を義務化。また海外勤務期間の延長可能期間が6ヶ月から1年に拡大され、政府の方針に沿った人事配置が容易になりました。
批判と政治的背景
野党や市民団体からは「欧州統合支持派の外交官を排除するための措置」との批判が噴出。抗議声明では「憲法78条(欧州統合の義務)に反する」と指摘されています。
今回の改正は外務省の大規模な組織改編と連動しており、数百人規模の人員削減と部署再編が予想されています。政府与党は「外交の規律強化」を主張する一方、欧米諸国からは民主主義の後退を懸念する声が上がっています。
ジョージアでは2024年3月にEU加盟申請が正式に提出されましたが、国内の政治対立が統合プロセスに影響を与える可能性が指摘されています。日本政府もコーカサス地域の安定に向け、同国の動向を注視している状況です。
メディアソース: civil.ge