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ジョージア刑務所で男性死亡 暴力疑惑と脳外傷の真相に迫る

Posted 3 months ago by Anonymous

刑務所内で死亡した男性の経緯

ジョージア(Georgia)の首都トビリシ(Tbilisi)にあるグルダニ第8刑務所に収監されていた46歳の男性イオセブ・ゴルガゼ(Ioseb Gorgadze)が、2024年4月4日に民間病院「ヴィヴァメディ」で死亡した。ゴルガゼ氏は1月下旬、複数の外傷を負った状態で刑務所から搬送され、約3ヶ月間の治療を受けた末の出来事だった。

弁護士が主張する暴行疑惑

ゴルガゼ氏の弁護士ムフラン・グルツカイア(Mukhran Ghurtskaia)は、依頼人が「残忍な暴行」を受けたと主張し、刑務所職員による暴力を非難している。これに対し当局は「人道的悲劇を政治的に利用している」と反論し、暴行の事実はないとしている。

死因をめぐる対立

ヴィヴァメディ病院のズラ・チュアイゼ(Zura Chkhaidze)院長は公式死因を脳外傷と発表。ゴルガゼ氏が1月30日に顔面や頭部に約30箇所の外傷を負って搬送された事実を認めた。しかし刑務所側の診断書には外傷の記載がなく、「脳卒中を起こし入院が必要」とのみ記されていた。

転倒説への疑問

捜査当局が「浴室での転倒が原因」とする主張に対し、グルツカイア弁護士は「1回の転倒でこれほどの外傷は説明できない」と反論。刑務所職員の関与を強く疑う姿勢を示した。特別捜査局は現在、刑法118条(健康被害)に基づく捜査を進めているが、現時点で具体的な容疑者は出ていない。

人権擁護機関の動き

ジョージアのオンブズマン(人権擁護官)レヴァン・イオセリアン(Levan Ioseliani)は独自調査を開始。病院関係者や刑務所職員への聞き取りを実施したが、ゴルガゼ氏本人とは病状悪化のため面会できなかった。監視カメラの映像分析では、独房内の記録が存在しないことが判明している。

事件の背景

ゴルガゼ氏は2023年10月24日の交通事故(死者発生)で勾留中だった。家族は1月27日、法廷出席不能の連絡を受けた際、勾留中の暴行を疑い始めた。病院搬送時には首の絞め跡を含む重傷を負っていたとの情報もある。

当局とメディアの応酬

刑務所管理局は声明で「メディアが悲劇を政治利用している」と批判し、職員による暴力を全面否定。勾留期間中に本人や弁護士から苦情がなかった点を強調した。一方、弁護側は「3ヶ月の捜査で進展がない」と捜査の不備を指摘している。

この事件はジョージアの刑務所環境に対する国際的な懸念を再燃させており、EU評議会も旧ソ連圏の刑務所階層構造問題で同国を例に挙げるなど、国内外で注目が集まっている。真相解明に向け、今後の捜査の進展が待たれる。

メディアソース: civil.ge

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