ジョージア内務大臣ヴァフタング・ゴメラウリ、10年以上務めたポストを退任

長期政権に幕辞任の背景

ヴァフタング・ゴメラウリ（Vakhtang Gomelauri）内務大臣兼副首相が5月28日、辞任を表明しました。公式声明では具体的な理由は明らかにされていませんが、「決断は容易なものではなかった」と述べ、家族と過ごす時間を優先する意向を示しています。

10年以上にわたり内務大臣を務めたゴメラウリ氏は、ジョージアの与党「ジョージアの夢」の創設者ビジナ・イヴァニシュヴィリ（Bidzina Ivanishvili）氏への感謝を強調。同氏から受けた「信頼が国家に奉仕する機会を与えてくれた」とコメントしています。

ゴメラウリ時代の警察組織は、2023年・2024年にかけて大規模化した反政府デモ鎮圧で国際的批判を受けました。人権団体は抗議者への過剰な暴力と拷問疑惑を多数記録しており、「外国人影響力透明化法」反対運動やEU加盟支持デモへの対応が特に問題視されました。

現在、ゴメラウリ氏は米国・英国・ウクライナ、バルト三国を含む複数の国から制裁対象に指定されています。日本との関係では、ジョージアがEU加盟候補国として民主化を進める中での要職退任が注目されています。

副首相兼内務大臣という要職の空白が与党に与える影響は計り知れません。後任人事には、治安強化を求める保守派と民主化を求める改革派の綱引きが予想されます。日本政府も、親日国ジョージアの政権安定と欧州統合プロセスを注視しています。

メディアソース: civil.ge