ジョージア人義勇兵に14年刑判決 ロシアがウクライナ戦闘参加を「傭兵活動」と認定
露捜査委が国際手配中の被告を不在審判
ロシア連邦捜査委員会は5月16日、トルニケ・ゴグアゼ(Tornike Goguadze)被告(ジョージア国籍)に対し「ウクライナでの傭兵活動」を理由に14年の刑を言い渡したと発表しました。同被告は現在、国際手配リストに掲載されています。
2022年からの活動経緯
判決によれば、ゴグアゼ被告は2022年3月にウクライナに渡航し、現地の軍事部隊に参加。ドネツク州とルハーンシク州(共に2014年以降ロシアが実効支配)において、ロシア軍・治安部隊に対する戦闘行動に従事したとされています。捜査当局は、ロシア刑法359条3項(武力紛争下での傭兵活動)を適用し、月次の報酬を受け取りながら戦闘に加わった事実を立証したと主張しています。
ジョージア人義勇兵への弾圧続く
ロシア当局はこれまでに、ウクライナ側で戦闘行為に参加したとされるジョージア人男性2名に対しても同様の手続きで判決を下しています。2023年にはギオルギ・ゴグリゼ(Giorgi Goglidze)被告に9年、ゲラ・ベグラシヴィリ(Gela Beglarashvili)被告に14年の刑がそれぞれ言い渡されました。いずれも被告人不在の状態で行われた「不在審判」です。
国際社会の注視
ウクライナ東部紛争への外国人参加者を巡るロシアの司法判断は、国際法の解釈を巡って論争を呼んでいます。ジョージア政府は2014年のロシアによるクリミア併合を非難しており、今回の判決は地政学的対立が司法判断に影響を与えている可能性が指摘されています。現地メディアによると、ウクライナ側で戦うジョージア人義勇兵は70名以上がロシアから起訴されている状況です。
現在の状況
ゴグアゼ被告の現在の所在は明らかになっておらず、国際刑事警察機構(インターポール)を通じた追跡が続けられています。ロシア側の情報によれば、過去2年間に少なくとも3人のジョージア人義勇兵が同様の容疑で起訴・有罪判決を受けたことになります。
メディアソース: civil.ge