ジョージア与党「ジョージアの夢」がUNWTO候補支持撤回 元大使起用が引き金に
ポロリカシヴィリ氏が支持撤回の経緯を暴露
国連世界観光機関(UNWTO)事務局長のズラブ・ポロリカシヴィリ(Zurab Pololikashvili)氏が5月15日、与党「ジョージアの夢」が自身の再選支持を撤回した背景に、元駐チェコ大使のテア・マイスラゼ(Thea Maisuradze)氏の選挙運動への起用があったと明らかにしました。
ポロリカシヴィリ氏は地元メディアのインタビューで、1月25日に同党から「観光分野の天才」と称賛する支持文書を受け取ったものの、その後支持が撤回されたと説明。マイスラゼ氏の起用が党幹部の反発を招き、「ヒステリックな反応」を引き起こしたと述べています。
元大使起用を巡る対立
マイスラゼ氏は2024年12月まで駐チェコ大使を務めた後、EU加盟プロセス凍結に抗議して辞任した外交官グループに加わった人物。ポロリカシヴィリ氏は「8年間共に仕事をした有能な人物」と起用理由を強調する一方、党側から即時解任を要求されたと暴露しました。
これに対しマイスラゼ氏はSNSで「政権にとって、ロシアの利益ではなくジョージアの国益を守る者は全て受け入れられない」と反論。イラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相が「3選は非民主的」とする発言も「UNWTOの規則では可能」と批判しています。
アラブ首長国連邦との取引疑惑
インタビューでは、バチアシヴィリ(Giorgi Bachiashvili)元政権幹部の身柄引き渡しと引き換えにアラブ首長国連邦の候補を支持したとの疑惑について質問が集中。ポロリカシヴィリ氏は「憶測にコメントしない」としつつも、「取引が事実なら悲劇的だ」と述べ、政治的な駆け引きの可能性に言及しました。
ジョージアでは近年、親欧米派と親露派の対立が先鋭化。EU加盟申請を進める野党に対し、与党がロシア寄りの政策を強めていることが国際的な懸念材料となっています。今回の騒動は、国内政治の対立が国際機関の人事にまで影響を及ぼした事例として注目を集めています。
メディアソース: civil.ge