ジョージア・バトゥミでMzia Amaglobeli裁判 欧州議会議員が言論弾圧を非難
欧州議会議員が「言論弾圧の象徴」と批判
ジョージアのバトゥミ(Batumi)市裁判所で5月16日、地元メディア「バトゥメレビ/ネトガゼティ」の共同創設者であるムツィア・アマグロベリ(Mzia Amaglobeli)の裁判が開かれました。オーストリア出身の欧州議会議員レナ・シリング(Lena Schilling)とドイツのペーター・フィッシャー駐ジョージア大使が傍聴に参加しました。
アマグロベリはバトゥミ警察長官イラクリ・ドゲブアゼ(Irakli Dgebuadze)への暴行容疑で起訴され、刑法353条に基づき4年から7年の禁錮刑が求刑されています。裁判では医学専門家ギヴィ・チュハルティシヴィリ(Givi Chkartishvili)が証言し、ドゲブアゼに目立った外傷がなかったと述べました。
欧州議会議員「民主主義が危機に」
シリング議員は「アマグロベリ氏の拘束は批判的ジャーナリズムへの弾圧の象徴だ」と強調。「彼女は情報発信と不正への抗議のために起訴されている。ジョージアが現在のような人権侵害を続ける限り、EU加盟の資格はない」と述べました。
さらに「ジャーナリストが逮捕され沈黙を強いられる時、民主主義そのものが危険にさらされる」と指摘。「欧州は注視している」と当局に警告を発しました。
医学鑑定に矛盾点
チュハルティシヴィリ証人は「ドゲブアゼ氏は右耳付近の痛みを訴えたが、機械的損傷の痕跡は確認されなかった」と証言。赤みの有無について「客観的損傷の証拠とは言えない」と述べ、検察側の追及に対し一貫して同じ見解を繰り返しました。
法廷外では抗議者が「体制の囚人を解放せよ」とシュプレヒコールを上げ、アマグロベリへの連帯を示しました。
複数容疑と国際社会の動き
アマグロベリは1月11日、警察署前での抗議ステッカー貼り付け容疑で最初に拘束されました。5月7日には建造物損壊容疑で新たな行政訴訟が提起されています。
ジョージア若手弁護士協会(GYLA)は4月28日、アマグロベリのケースを欧州人権裁判所に提訴。表現の自由や公平な裁判を受ける権利の侵害を主張しています。
現地メディアの苦境
バトゥメレビ/ネトガゼティは地方都市バトゥミで政府批判を続ける独立系メディア。今回の裁判は政権批判勢力への圧力強化を示す事例として、国際社会から懸念が広がっています。
メディアソース: civil.ge