ジョージア・トビリシで大規模な欧州デー行進 市民がEU加盟の意思を再表明
4つのルートから集合した市民の波
2025年5月9日の「欧州の日」、ジョージアの首都トビリシ(Tbilisi)で大規模な行進が実施されました。午後5時、議会前やマルジャニシュヴィリ広場(Marjanishvili Square)、第一共和国広場、アヴラバリ地下鉄駅(Avlabari)を出発点とした4つの行進隊列が、欧州広場(Europe Square)を目指して市内を行進しました。
主催者の主張と政府批判
主催団体は声明で「ジョージアが選択した道は欧州統合だ」と強調。これまでに締結された連合協定やビザ免除措置、EU加盟候補国地位の獲得を「市民が勝ち取った成果」と位置付けました。一方で、現在の与党「ジョージアの夢」政権に対し、「反欧州的で抑圧的な政策が国の未来を脅かしている」と厳しく批判しています。
特にイラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相が2024年11月に示したEU加盟プロセス凍結方針を「憲法違反であり市民の意思への反逆」と断罪。市民側は「非合法政権の圧力にもかかわらず、歴史的な選択を堅持する」との決意をEUに対して表明しました。
行進のハイライトと政治的背景
クル川(Mtkvari River)河畔で合流した行進隊列は、ステージが設置された欧州広場へ到着。デモ参加者家族らが演説を行う中、会場にはジョージア国旗とEU旗がはためきました。今回の行進は、反政府デモが継続して163日目を迎える中での大きな節目となりました。
ジョージアでは2025年、EU加盟を推進する野党勢力と親露的な与党の対立が先鋭化。3月に可決された「外国影響力規制法」をきっかけに大規模な抗議活動が継続しています。今回の行進は、市民が直接民主主義の意思を示す重要な機会となりました。
歴史的選択を巡る攻防
ジョージアは2008年のロシア戦争後、西側諸国との関係強化を推進。2014年にEUと連合協定を締結し、2017年にはビザ免除が実現するなど着実に欧州統合を進めてきました。しかし近年、与党の親露政策が加速し、EUとの関係悪化が懸念されています。
参加者の多くは「欧州の価値観を共有するジョージアの未来を守りたい」と訴え、広場には「自由」「民主主義」「EU加盟」を求める声が響き渡りました。市民の粘り強い抗議行動が、国の進路を左右する転換点となるか、国際社会の注目が集まっています。
メディアソース: civil.ge