ジョージア・トビリシでヨーロッパの日を祝う大規模行進 9日に4地点から出発

4つの出発地点でデモ開始

ジョージア（グルジア）の首都トビリシ（Tbilisi）で5月9日、「ヨーロッパの日」を記念する大規模な抗議行進が行われました。現地時間17時、国会議事堂・マルジャニシヴィリ広場（Marjanishvili Square）・第一共和国広場・アヴラバリ地下鉄駅の4か所から同時にデモ隊が出発。参加者たちはミクヴァリ川沿いを経由し、最終的にヨーロッパ広場（Europe Square）に集結しました。

主催団体がEU統合の決意表明

主催団体の声明では「わが国の選択はヨーロッパの家族に加わること」と強調。これまでの成果としてEUとの連合協定やビザ免除、加盟候補国地位獲得を挙げつつ、「現在これらの成果が『ジョージアの夢』政権によって危機にさらされている」と主張しています。

政府批判とEUへのメッセージ

イラクリ・コバヒゼ（Irakli Kobakhidze）首相が2023年11月28日に発した「EU加盟プロセス停止」声明について、憲法違反かつ国民の意志に反すると批判。「いかなる圧力にも屈せず、歴史的な選択を堅持する」として、EUへの強い意志を示すメッセージを発信しました。

家族参加の異例の訴え

ヨーロッパ広場では特設ステージが設置され、複数のスピーカーが演説。特に注目されたのは、抗議活動中に拘束された若者の家族が直接登壇し、「自由のための闘い」を訴えた場面です。このデモは、現政権に対する抗議活動が163日目を迎えた節目として実施されました。

背景にある政治情勢

ジョージアでは近年、親EU路線を推進する市民とロシア寄りとされる与党「ジョージアの夢」の対立が深刻化。日本でも関心が高まる黒海沿岸地域の地政学的重要性を考えると、今後のEU加盟交渉の行方は国際社会全体の注目事象となりそうです。

メディアソース: civil.ge