ジョージア・ツヒンヴァリ占領地でスパイ容疑の男性拘束 FSB関与の情報漏洩事件
ロシア占領下のツヒンヴァリ地域で情報漏洩容疑者を拘束
ロシア連邦保安局(FSB)と連携する南オセチア(ジョージア側呼称:ツヒンヴァリ(Tskhinvali)占領地域)の治安委員会が、ジョージアの情報機関に機密情報を漏洩した疑いで現地住民の男性を拘束したと、現地メディア「レシ(Res)」が報じました。
容疑内容と逮捕の経緯
治安委員会の発表によると、ジャヴァ(Java)地区に住む51歳の男性(氏名非公表)が4月21日に逮捕されました。ロシア刑法第275条(国家反逆罪)に基づく容疑で、10年から20年の禁錮刑が科される可能性があります。
当局は「国家機関職員」とされる被疑者がジョージア国家保安局(SUS)と緊密な連絡を保ち、占領地域に駐留するロシア軍部隊の配置状況やウクライナ戦線への移動、地域の内政情勢に関する情報を提供していたと主張しています。
自白と追加調査の進展
「被疑者は違法行為を認め、捜査に積極的に協力している」と治安委員会は声明で発表。さらに捜査過程で、SUSと接触していたとみられる占領地域住民5人を特定したものの、刑事訴追に足る証拠が不十分なため、国家反逆罪に該当する行為をしないよう警告したと説明しました。
過去の類似事件との比較
同種の事件としては、2008年2月に北オセチア(ロシア)で発生したマルティン・ザゴエフ(Martin Dzagoev)氏逮捕が知られています。ザゴエフ氏はジョージア情報機関と協力し、分離主義地域でテロ行為を計画した疑いで起訴され、自白したと報じられました。
ジョージア政府の立場
ジョージア政府は一貫して、南オセチアとアブハジアの地域を自国領土の一部と主張し、ロシアによる占領を非難しています。今回の事件について、ジョージア側は現時点で公式なコメントを出していませんが、過去に同様のケースで「ロシアによるプロパガンダ」と反論してきた経緯があります。
日本政府もジョージアの領土保全を支持する立場を表明しており、国際社会と連携した平和的な紛争解決を求めています。2023年には在日ジョージア大使館が東京で領土問題に関する写真展を開催するなど、認知拡大に向けた取り組みが続けられています。
地域情勢の緊迫化が懸念される中、情報戦の激化が予想されます。今後の捜査の進展と国際的な反応に注目が集まっています。
メディアソース: civil.ge