ジョージア・コバヒゼ首相、5地域に新国家代表を任命 地域再編の背景
Posted 3 months ago by Anonymous
ジョージア(グルジア)の与党「ジョージアの夢」党首で首相のイラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)氏は5月6日、国内5地域に新たな国家代表(州知事に相当)を任命した。この人事は10月の地方選挙を控えた地域再編戦略の一環と見られ、野党からは与党の影響力拡大を懸念する声が上がっている。
任命の背景と政治的反響
新国家代表の任命に先立ち、政府は地域開発省を独立組織として再編成する決定を下していた。野党勢力はこの改編が「地方自治体への中央集権化を進め、与党の選挙基盤強化を図るもの」と批判。当初候補とされていた国家保安局元長官のグリゴル・リルアシヴィリ(Grigol Liluashvili)氏の辞退劇も、党内調整の問題を浮き彫りにした。
コバヒゼ首相は新任者との会談で「経験と専門性を兼ね備えた指導者」の重要性を強調。地域開発プロジェクトの推進に期待を表明した。
新代表の経歴
- ムツヘタ・ムティアネティ地方:アレクサンドレ・ザガシヴィリ(Aleksandre Zagashvili)元カズベギ市長
- シダ・カルトリ地方:シモン・グレダン(Simon Guledani)ゴリ市第一副市長
- サムツヘ・ジャヴァヘティ地方:ザアル・ゲラシヴィリ(Zaal Gelashvili)ボルジョミ開発庁監査責任者
- グリア地方:ギオルギ・グルジュメリゼ(Giorgi Ghurjumeridze)オズルゲティ市第一副市長
- クヴェモ・カルトリ地方:レヴァン・ハラバゼ(Levan Kharabadze)元内務省地方局長
地方行政制度の特徴
ジョージアの国家代表制度は、中央政府が地方行政を監督する仕組み。国家代表は大統領が任命し、地域開発計画の調整や予算執行を担う。今回の人事刷新は、2021年に導入された地方分権改革の進捗管理が主な任務となる。
政治アナリストの間では、新型コロナ対策やインフラ整備を梃子にした与党の地方浸透戦略が注目されている。10月の統一地方選挙では、首都トビリシを除く地方都市での与党優位が続くかが焦点となる見通しだ。
メディアソース: civil.ge