ジョージア・エネルギー・プロ 工事に伴う計画停電で電力供給制限
主要インフラ整備に伴う電力制限措置
ジョージア国営エネルギー社(Georgian State Electrosystem)は、首都トビリシ(Tbilisi)を含む主要地域で計画停電を実施する方針を発表しました。大規模インフラ整備プロジェクトに伴う工事のため、今後3週間で最大1日4時間の電力供給制限が行われる見通しです。
停電スケジュールと対象地域
停電は毎日午後5時から9時のピーク時間帯を避け、以下の地域でローテーション実施されます:
- トビリシ市東部(Vake-Saburtalo地区)
- クタイシ(Kutaisi)工業地帯
- バトゥミ(Batumi)観光地区の一部
ジョージアエネルギー省によると、影響を受ける世帯は約25万件に上ります。日本円換算で約13億円相当の予備発電装置を緊急導入し、病院や主要公共施設への電力供給を優先するとのことです。
背景にあるエネルギー事情
今回の工事は、ソビエト時代に建設された旧式送電網の更新プロジェクトの一環です。ジョージアの電力インフラの約60%は40年以上経過しており、昨年発生した大規模停電(影響人口180万人)を受けた緊急措置として位置付けられています。
長期ビジョンと課題
カハ・カラゼ首相(Irakli Kobakhidze政権)は「2026年までに再生可能エネルギー比率を50%に引き上げる」と表明。ただし、現在の主力電源である水力発電(全体の80%)が夏季の渇水期に脆弱であることが課題となっています。
市民生活への影響
経済省の試算では、今回の停電で観光業と製造業に1日あたり約2,800万ラリ(日本円で約14.5億円)の損失が発生すると予測。中小企業オーナーからは「冷蔵設備を備えた飲食店の営業継続が困難」との声が上がっています。
政府は補償金制度として中小企業向けに5,000万ラリ(約26億円)の緊急基金を創設。現大統領サロメ・ズラビシュヴィリ(Salome Zourabichvili)は「短期的な不便は国民の理解が必要」と協力を呼びかけています。
エネルギー専門家のニノ・チコバニ氏(Nino Chikovani)は「日本との技術協力を強化し、スマートグリッド早期導入が必要」と指摘。ジョージア政府は2023年に国際協力機構(JICA)と地熱発電開発に関する覚書を交わすなど、代替エネルギー開発に注力しています。
メディアソース: interpressnews.ge