ジョージアのAlt-Info、新党「保守派のためのジョージア」として再登録
反西欧・親露派グループの政党登録
ジョージア(グルジア)の超保守的で反西欧的、親ロシア的な政治運動「Alt-Info(アルト・インフォ)」が4月22日、「保守派のためのジョージア(კონსერვატორები საქართველოსთვის)」として政党登録を完了した。同グループはこれまでLGBT関連イベントへの暴力行為やEU旗の焼却などで国際的な批判を浴びてきた。
登録取り消しの経緯
2024年、国家公共登録庁はAlt-Infoの政党登録を無効化していた。この決定は、10月26日予定の議会選挙を前に与党「ジョージアの夢」が支持基盤の分裂を防ごうとした動きと関連するとの見方が広がっていた。その後、Alt-Infoのメンバーは「愛国者同盟」に合流して選挙に臨んだが、議会進出に必要な5%の得票率を確保できず敗北。選挙直後には財政難を理由にテレビ局の閉鎖も余儀なくされた。
再登録の背景
Alt-Infoの指導者の一人で米国から制裁対象に指定されているコンスタンティン・モルゴシア(Konstantin Morgoshia)は「支持者からの要望があり、政党活動を継続する必要がある」と再登録の理由を説明。今回の登録は、10月4日に予定される地方選挙を数カ月後に控えたタイミングで行われた。欧州統合派の複数政党が「不正選挙」を理由に同選挙のボイコットを表明している状況下での動きとして注目される。
国際社会からの批判
同グループは過去に以下の問題行動で非難を浴びている:
- 2023年7月の「ティビリシ・プライド」フェスティバル襲撃事件
- EU旗の公開焼却
- LGBTコミュニティに対する組織的な嫌がらせ
米国財務省は2023年11月、モルゴシア氏ら指導者3名を「民主主義の破壊者」として資産凍結措置を発動。EUも同グループの過激な行動に懸念を表明している。
今後の政治動向
政治アナリストのイラクリ・メラシビリ(Irakli Melashvili)氏は「親露派勢力が地方選挙で一定の支持を集める可能性がある」と指摘。欧州統合を推進する野党連合との対立がさらに先鋭化する構図が浮かび上がっている。ジョージア政府はEU加盟申請を進める一方で、国内の親露派勢力とのバランス取りが課題となっている。
メディアソース: geinfojp.wordpress.com