ジョージアの夢、新議長にイラクリ・コバヒゼ就任 党刷新へ動き
新議長就任の経緯
ジョージアの与党「ジョージアの夢(Georgian Dream)」は5月7日、党大会を開催し、イラクリ・コバヒゼ首相(Irakli Kobakhidze)を新議長に任命した。前議長のイラクリ・ガリバシヴィリ(Irakli Garibashvili)が4月25日に党と政界からの引退を表明したことを受けた人事刷新だ。コバヒゼ新議長は就任演説で、党の政治評議会メンバーを刷新したことを明らかにした。
創設者への賛辞と前政権評価
コバヒゼ氏は演説の冒頭、党の名誉議長で創設者のビジナ・イヴァニシヴィリ(Bidzina Ivanishvili)を称賛。ガリバシヴィリ前議長には「2024年の議会選挙での貢献を含め、党と国家への奉仕に感謝」と述べた。特に「ジョージアが独立回復後、13年間戦争なく平和を維持できたのはイヴァニシヴィリ氏の功績」と強調した。
外交政策への強い姿勢
「外国勢力の干渉」への警戒感を表明し、「国家主権の放棄を迫る勢力が民主主義の原則を破壊し、経済を崩壊させようとしている」と主張。キリスト教や伝統的価値観への攻撃、文化的アイデンティティの否定に反対する姿勢を示した。コバヒゼ氏は「13年間、国家主権と国民の福祉、民主主義のための戦いを続けてきた」と述べ、今後も「平和維持と伝統的価値観の強化」に取り組む方針を明らかにした。
今後の政策課題
主要政策として以下を掲げた:
1. 法の支配と民主主義制度の強化
2. 国家の独立と安全保障の確立
3. 経済発展の加速
4. EU加盟に向けた外交努力
特に「各家庭の経済状況改善」と「国家の再統合」を強調。分離地域のアブハジア(Abkhazia)と南オセチア(South Ossetia)の統合を「物理的な再統合」と表現し、ロシアの影響下にある地域の回復を目指す姿勢を示した。
新政権の顔ぶれ
新政治評議会の15名には国際制裁対象者が多数名を連ねた:
- ビジナ・イヴァニシヴィリ(名誉議長)
- カハ・カラゼ(Tbilisi市長)
- マムカ・ムディナゼ(議会与党代表)
- マカ・ボチョリシヴィリ(外相)
新政権は10月の地方選挙に向け準備を開始。コバヒゼ氏は「10連勝を確信している」と自信を見せた。
日本との関係
ジョージアは2015年に日本と経済連携協定(EPA)を締結。ワイン輸出が急増するなど経済関係が深化しており、新政権のEU加盟推進が日系企業の投資環境に与える影響が注目される。
メディアソース: civil.ge