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ジョージアとロシアの関係正常化進展 ザハロワ氏がEUの2030年加盟に疑問符

Posted about 2 months ago by Anonymous

ロシア外務省がジョージアのEU加盟目標に疑問

ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官は4月24日の会見で、与党「ジョージアの夢(Georgian Dream)」関係者が主張する「2030年までのEU加盟」目標について、EUの将来性と加盟国経済への影響に疑問を投げかけた。ザハロワ氏は「EUは危機的状況にあり、10年後には存在すらしていない可能性がある」と指摘。その上で「ジョージアとロシアは関係正常化に向け計画的に取り組んでいる」と述べた。

EUの持続可能性に懸念

ザハロワ氏は「2030年や他の年にEU加盟を目指す国々にとって重要なのは、加盟先が存続しているかどうかだ」と強調。イギリスのEU離脱(ブレグジット)を例に挙げ「イギリスは利益になるものは何も残さなかった。利益を得られる可能性がある場所では、イギリスは常に先陣を切る。今回はEUから真っ先に離脱した」と皮肉った。

さらに「EU内部の危機的状況は明白で、その影響は予測可能だ。自国の経済を考える者にとって、EU加盟に価値はない」と断言。ジョージアのEU加盟方針を間接的に批判した。

ジョージアとの関係正常化進展を強調

ザハロワ氏は「政治的な意見の相違や外交関係の不在にもかかわらず、ロシアはジョージアと相互尊重と相互利益に基づく二国間関係を構築している」と説明。両国間の対話が継続されていることを明らかにした上で「実務的・人道的協力を活性化し、ロシアとジョージア国民の利益に応える形で関係正常化を進めている」と述べた。

「ロシアはすでに善意と意思を示した」と前置きしつつも「EU加盟を目指すなら、スローガンではなく具体的な数字を見るべきだ」と助言。経済的合理性を重視するよう促した。

ジョージアのEU加盟を巡る現状

ジョージアは2023年12月にEU加盟候補国地位を獲得し、憲法に明記された欧州大西洋統合政策の重要な一歩を踏み出した。しかし近年、EUとの関係は緊迫化している。

政府の姿勢に国内外から批判

2024年11月、イラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相は「2028年まではEU加盟交渉開始を議題にしない」と表明。これに対し大規模な抗議デモが約5カ月間続いている。EU側は民主主義の後退、抑圧的な法律の制定、警察の暴力などを理由にジョージア政府を厳しく非難。支援凍結やビザ免除停止などの措置を講じた。

一部EU加盟国は「ジョージアの夢」の関係者や「体制支持者」に対し、入国禁止措置を発動している。にもかかわらず、与党関係者は「2030年EU加盟」を主張し続けているが、民主主義の後退や反西欧的言動、西側諸国との対立深化を考慮すると、具体的な道筋は見えていない。

この状況下でロシアが関係改善をアピールする動きは、ジョージアの地政学的立場に新たな複雑さを加えている。EU加盟を目指すジョージア政府が、ロシアとのバランスをどう取っていくかが今後の焦点となる。

メディアソース: geinfojp.wordpress.com

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