ジョージアで車なし市民に駐車違反罰金 技術的障害が原因か

駐車違反通知に困惑する市民

2023年4月23日、ジョージア（Georgia）で車を所有していない市民が駐車違反の罰金5,000ラリ（約18,000円）を課されたとの報告が相次ぎました。一部の市民は「そもそも車を持っていない」と主張しており、この事態に混乱が広がっています。この罰金額は、道路封鎖を行った抗議活動参加者への罰則と同額です。

当局が「技術的障害」を認める

問題発生後、ジョージア内務省は公式声明で「技術的障害が発生した」と認め、問題解決に向けて対応中であることを明らかにしました。同省によると、自動車ナンバープレート認識システムを用いた自動発行システムに不具合が生じ、誤った罰金通知が発行されたと説明しています。

市民からの抗議の声

抗議活動家のイラクリ・ケラシヴィリ（Irakli Kherashvili）の妹であるケトゥナ・ケラシヴィリ（Qetuna Kherashvili）はFacebookで「3月8日に5,000ラリの駐車違反罰金を科されたが、私は車を持っていない」と訴えました。同様に、イヴァ・ペズアシヴィリ（Iva Pezuashvili）は「ジョージアの夢（与党）が私を輸送手段保有者に仕立て上げた」と皮肉を込めて投稿しています。

法的手続きの問題点

法律専門家のニカ・シモニシヴィリ（Nika Simonishvili）は、内務省職員が「大量の罰金処理に追われ、手続きを簡略化した結果、誤りが発生した」と指摘。さらに「罰金通知を郵送せずに公開した行為自体が法的手続き違反にあたる」と批判しています。

抗議活動への影響

現在進行中の抗議活動では、道路封鎖に関与した数百人のデモ参加者やジャーナリストが同額の罰金を科されています。人権団体は、平均月収の2倍に相当する高額罰金が「政府批判の抑圧手段」として利用されていると非難。与党「ジョージアの夢」が異論封じ込みに司法制度を悪用しているとの見方が強まっています。

この問題は、デジタル行政システムの脆弱性と共に、市民の表現の自由に対する圧力として国際的な注目を集めています。技術的障害の根本的な原因解明と、透明性ある対応が求められる状況が続いています。

メディアソース: police.ge