ジョージアがイタリアとハンガリーに新大使を任命 人事異動の詳細と背景
大使人事の概要
ジョージア外務省は5月20日、イタリアとハンガリーに新たな大使を任命したと発表しました。この人事は7月1日から発効します。
イタリア駐在の新大使
ローマにある国際連合食糧農業機関(FAO)や国際農業開発基金(IFAD)などへの常駐代表を兼務するイタリア大使には、タマル・リルアシュヴィリ(Tamari Liluashvili)氏が指名されました。
リルアシュヴィリ大使はこれまでハンガリー大使を務め、過去にはブルガリア大使や国家投資庁「Invest in Georgia」の代表を歴任。民間企業での管理職経験も持つ実務派外交官です。
ハンガリー駐在の新大使
後任のハンガリー大使にはニコロズ・ラリアシュヴィリ(Nikoloz Laliashvili)氏が就任。カザフスタン大使を経て、国防省や安全保障会議で要職を務めた経歴を持ちます。2008-2012年には国会議員としても活動していました。
ラリアシュヴィリ氏の経歴と論点
ラリアシュヴィリ氏は2020-2021年に公共放送局イメディ(Imedi)テレビの局長を務めた人物。当時は2008年南オセチア紛争を題材にしたドキュメンタリー制作に関わり、「ロシア軍の侵攻はジョージアの軍事作戦への反応だった」とする内容が物議を醸しました。
かつて与党だった統一国民運動(UNM)の批判派として知られる同氏の外交官起用は、現政権の人事戦略を示すものと分析されています。ただし、過去のメディア関与に関する批判的意見も一部存在します。
人事異動の背景
ジョージア政府は2023年からEU加盟に向けた外交的取組みを強化。今回の人事は西側諸国との関係深化を図る背景下で行われたもので、イタリアとハンガリーというEU加盟国への大使配置に注目が集まっています。
イタリアはジョージアへの主要投資国の1つであり、ハンガリーはEU内で親露的とされるオルバン政権とのバランス取りも課題となるでしょう。両大使の着任は今後の国際協力に新たな局面をもたらすことが期待されています。
メディアソース: civil.ge