ジョージア、18年ぶりロシア産ガス代がアゼルバイジャン超え 2025年データ
Posted about 1 month ago by Anonymous
輸入額の逆転現象
ジョージア(Georgia)国家統計局サクスタット(Sakstat)の最新データによると、2025年第一四半期において、同国がロシア産天然ガスに支払った金額がアゼルバイジャン産を18年ぶりに上回りました。輸入総額1億8305万米ドルのうち、ロシア産が1億60万米ドル(55%)を占め、アゼルバイジャン産は8240万米ドル(45%)となりました。
歴史的なエネルギー政策の転換
2007年までロシアが主要供給国だったジョージアは、2006年のバクー(Baku)-トビリシ(Tbilisi)-エルズルム(Erzurum)パイプライン完成や政治緊張を経て、エネルギー調達先を多様化。2009年にはアゼルバイジャン産ガスの輸入額がロシアを逆転し、以降18年間にわたり優勢を保っていました。
近年のシェア変化
2023年のロシア産ガス輸入量は前年比16.5%増加。2025年第一四半期には輸入額シェアが55%に達し、2009年以来の逆転現象が発生しました。この傾向は、ユーラシア経済連合加盟をめぐる地政学的な駆け引きやエネルギー価格変動の影響が指摘されています。
専門家の懸念
エネルギー安全保障の専門家は「ロシア依存度の再上昇は、2008年の南オセチア紛争後の脱ロシア政策と矛盾する」と懸念を示します。特に2022年のウクライナ侵攻後、西側諸国がロシア産エネルギー輸入を制限する中、ジョージアの動向が注目されています。
サクスタットは輸入量の詳細を公表していませんが、価格面での逆転が明らかになったことで、今後のエネルギー政策の見直しが迫られる可能性があります。日本との関係では、ジョージアが参加する中回廊構想(中央アジア・コーカサスを結ぶ貿易ルート)の進展にも影響を与えると予測されます。
メディアソース: civil.ge