イラクリ・コバヒゼ首相、ハンガリーCPACで基調演説 オルバーン首相と会談実施
CPACでのコバヒゼ首相の演説
「ジョージアの夢」政権のイラクリ・コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相は5月29日、ハンガリー・ブダペスト市で開催された保守政治行動会議(CPAC)で演説を行いました。会議参加を機に、ハンガリーのヴィクトル・オルバーン(Viktor Orbán)首相との会談も実施しました。
価値観を強調したメッセージ
コバヒゼ首相は基調講演で「3000年以上にわたり帝国の交差点に立つジョージアの声」を世界に発信。自国を「真の西側の一部」と位置付け、キリスト教信仰と国家主権の保護を訴えました。ハンガリーを「自国の主権とアイデンティティを守り抜いた模範」と称賛し、EU加盟に向けた支援への謝意を表明しています。
特に注目されたのは「ディープ・ステート(深層国家)」に関する言及です。コバヒゼ首相は、ロシアとの戦争で「第二の戦線に引き込まれる危機」を回避したとして、ジョージアが選択した平和と安定の道を強調しました。
国際社会への批判
首相は外国資金によるNGOやメディアの活動を批判し、「ジョージアの主権を侵害する外国の圧力」に抗う姿勢を示しました。EU議会の決議や米国の「MEGOBARI法(ジョージア人支援法)」を「国家主権への干渉」と非難。トランプ米大統領の新政権が「ディープ・ステート」との戦いを開始した点を評価しながらも、欧米官僚機構に根強い影響力を懸念しています。
ウクライナ戦争に関しては「国際社会が早期警告を無視した結果」と指摘。ジョージアが「戦場にされかねない圧力」に抵抗したとの見解を示しました。
オルバーン・ハンガリー首相との会談
28日に実施された首脳会談では、両国間の戦略的パートナーシップ強化が確認されました。コバヒゼ首相はX(旧ツイッター)で「EU統合への支持と地域安定への共通の誓約」を称賛。オルバーン首相が2024年の議会選挙後に「ジョージアの夢」政権を早期承認した点にも言及しています。
「ブダペストはジョージア外交の重要な窓口となっている」
ジョージア政府の発表によると、2025年に入ってからも議員・閣僚レベルでの交流が活発化。1月の議会議長、3月の外相、5月の国家安全保障会議書記官が相次いでハンガリーを訪問しています。
国際社会からの孤立懸念
専門家は、欧米諸国との緊張が高まる中でハンガリーとの関係強化が「国際的孤立を回避するための戦略」と分析。EU加盟候補国であるジョージアが、欧州統合プロセスと伝統的価値観の維持を両立させる挑戦が続いています。
コバヒゼ首相は講演の締めくくりで、「国家主権を守り、伝統的価値を堅持する指導者たち」への連帯を表明。ジョージアが掲げる「独自の欧州統合路線」が国際社会でどのような反響を呼ぶか、今後の動向が注目されます。
メディアソース: civil.ge